高血圧は生活習慣病と呼ばれ、日本人の3人に1人は、高血圧と言われています。しかも、高血圧の人は毛髪が薄くなりやすいと言われており、それは高血圧と毛髪が薄くなる原因に共通点が多いということに起因しています。

私たちの身体は、心臓から送り出された血が、全身に養分や酸素を運び届けることで生命維持ができています。そして血圧は、血が血管に加える圧力のことを指します。

高血圧とは、血管に過度の圧力がかかっている状態を表します。また、圧力がかかり続けると脳の血管は破裂し、脳出血を起こすなど怖い結果にもなりかねません。

高血圧と毛髪が薄くなる現象の原因には、一体どのような共通点があり、どのような部分に注意しなければいけないのでしょうか。

高血圧と毛髪が薄くなる現象に共通する七つの原因

高血圧と毛髪が薄くなる現象の共通点には、遺伝、加齢など身体的な問題と、それ以外にも食生活の乱れ、運動不足、外的ダメージ、喫煙、過度の飲酒といった生活習慣によるものが多いと言われています。

高血圧と毛髪が薄くなる現象に共通点があると言われる由縁は、血管の状態が影響してくる部分が多いからです。

遺伝

高血圧と毛髪が薄くなる現象には、遺伝も大きく関わっています。

両親が高血圧の場合、高血圧の素因を子どもがもつ確率は1/2で、両親のどちらが高血圧の場合は1/3、両親のどちらも高血圧でない場合は1/20という結果が出ています。

遺伝による毛髪が薄くなる現象は母方が毛髪が薄くなる家系だった場合、男性の体内物質「ジヒドロテストステロン」を生み出す「受容体」を受け継いでいる可能性があるため、毛髪が薄くなりやすいと言われています。

加齢

高血圧は、病気になっていない人でも年齢とともに血管の弾力性が衰え、硬くなっていきます。また、65歳以上の高齢者では約6割が高血圧との結果が出されています。

加齢による毛髪が薄くなる原因も、衰えや動脈硬化により血管の弾力性が無くなり、血流が悪くなることが原因としてあげられます。

食生活の乱れ

食生活の欧米化などによって、動物性の脂が多い食事や塩分の多い食事が増えました。その結果血中の悪いコレステロールが増え、血がドロドロになってしまうことが高血圧につながります。これは、動脈硬化の原因としてもあげられています。

毛髪が薄くなる原因も、血中がドロドロの状態になることから、血流が悪くなるため、頭皮まで養分が行き届かなくなってしまいます。そのため、頭皮や髪の成長に関わる髪の毛の元に養分が行き渡らず、毛が抜けてしまうことになります。

運動不足

運動には、心肺機能を強化し、血や老廃物の排出を促す力があります。そのため、運動不足になると、心肺機能が低くなり、血の循環が悪くなります。

高血圧は、心臓や血管の機能が弱くなることで引き起こされます。そして毛髪が薄くなる原因は、血の流れや老廃物の排出が機能しなくなることから、頭皮や髪の養分不足や老廃物の排出がうまくいかなくなり、ヘアサイクルが乱れてしまうことで毛髪が薄くなってしまいます。

過度の外的ダメージ

過度の外的ダメージは、自律器官や血管収縮、体内バランスの乱れを引き起こす要因になり、高血圧と毛髪が薄くなる現象を引き起こしやすい原因のトップクラスです。

外的ダメージをうけることによって、自律器官のひとつである交感器官が活発化している状態が長く続き、大量のアドレナリンが分泌されて興奮状態が続きます。

そのため、心拍数や循環する血の量が過剰に増えてしまい、血管に負荷がかかってしまいます。それにより、血管の収縮まで引き起こしてしまい、血流が悪くなります。

また、過度の外的ダメージは体内バランスを崩す原因にもなるため、体内物質の分泌が活発化し、皮脂の分泌も多くなってしまいます。これにより頭皮環境が悪くなり、毛髪が薄くなりやすいと言えます。

喫煙

タバコの煙に含まれる「ニコチン」や「一酸化炭素」が血圧が上がる要因となり、動脈硬化を進めてしまいます。ニコチンが交感器官を刺激して、血圧をあげることで脈拍も増えてしまい、心臓に負担をかけるからです。

一酸化炭素は、血中の酸素を吸収してしまい、血管内が酸素不足になることから血がドロドロになります。

それに加え、喫煙することによって毛が抜けやすくなる原因である男性の体内物質「ジヒドロテストステロン」が増加するだけでなく、肌の水分が奪われてしまうことから、頭皮の乾燥を招くことにもつながります。

結果的に、血管や心臓に負担をかけてしまい、高血圧や毛髪が薄くなりやすい状態を引き起こしてしまいます。

過度の飲酒

飲酒は、一時的に血圧を下げることもありますが、継続して飲み続けると血圧が上がり、高血圧の原因となります。

また、血管が収縮することで、交感器官が機能し、脈拍が早くなることから、高血圧の原因として挙げられます。

過度の飲酒により毛髪が薄くなる原因には、アルコールの分解のために腎臓の機能が活発になることから、頭皮や髪まで養分が届きにくくなることがあげられます。また、睡眠の質も低下することで、成長するための体内物質が分泌されにくくなり、毛髪の成長の妨げとなります。

高血圧と毛髪が薄くなる現象に共通する五つの対策方法

高血圧と毛髪が薄くなる現象への対策方法は、現在の好ましくない生活習慣を振り返ることです。良い生活習慣を取り入れることで、高血圧や毛髪が薄くなる現象への対策だけでなく健康的な身体づくりをすることができます。

バランスの取れた食生活

人は、食事という方法でしか体内に養分を取り込むことができません。そのため、食事が身体を作るという意識を持つことが重要です。コンビニ弁当やインスタント食品は、化学調味料が多く使われているため、控えるようにしましょう。

仕事などで外食が避けられないという方は、なるべく野菜や魚などを頼むことを心掛けましょう。具体的な食材では、大豆食品やヨーグルト、たまねぎ、緑黄色野菜、きのこ類、海藻類、果物などの食材に血をきれいにする効果があります。

適度な運動

1日30分歩くことによって、下半身の筋肉や血の循環が促進されます。毎日続けることによって、少しずつ筋肉量もつき、血の流れが良くなったり体内の循環能力が高まり、体質が元に戻ることが期待できます。

高血圧の方がいきなり走ったりすると心臓に負担がかかるため、歩くことが大切です。30分がつらいという方は15分を2回に分けるなど工夫しましょう。通勤や買い物などを利用すると効率よく続けて運動することができます。

禁煙

喫煙をされている方は、最終的には禁煙を目指して、無理のない程度に少しずつ減煙に努めましょう。禁煙することで血も循環しますし、養分も頭皮に届きやすくなります。

適度な飲酒

適度な飲酒とは、1日30mlのアルコールであると言われていて、それは日本酒1合、ビール大瓶1本までといわれています。

適量の飲酒は、「百薬の長」などと例えられますが、適量のアルコールによって、血の流れを良くしたり老廃物の排出を促したりすることが期待でき、結果毛髪が薄くなることへの対策にもなります。それだけでなく、動脈硬化や心筋梗塞、虚血性心臓病の危険性を防ぐとも言われています。

気分転換する

気分転換には、身体の緊張を解放させてあげることが大切です。おすすめの方法は、趣味に没頭することで、自分が楽しめる時間をもつことにより、良い状態に変えることができます。また、長時間の入浴や深呼吸をすることによっても、自律器官の副交感器官を働かせることによって、身体を落ち着いた状態にもっていくことができます。

高血圧メソッド中の方が理解しておきたい注意点

高血圧の方で薄くなった髪への対策に育毛剤を使いたいという方に注意してもらいたい点があります。

男性の毛髪が薄くなる原因の多くは、AGA（男性に多く見られる抜け毛の症状）がその要因として挙げられます。そのAGAのメソッドには、ミノキシジル成分が使われていることが多いです。

ミノキシジルは、もともと高血圧を元通りにするために使用されていた医療薬でもあります。その反動として髪の毛が濃くなったことで、薄くなった毛髪へのメソッドにも活用されるようになりました。

一見血圧を下げるから良いと思いがちですが、高血圧メソッドを受けている方が、ミノキシジル成分が入った育毛剤などを使うことによって過剰に血圧を下げることになり危険であるため、医師への相談は必ずしてください。

おわりに

いかがでしたか。高血圧と毛髪が薄くなる現象には多くの共通点がありましたね。良い生活習慣を取り入れていくことが、高血圧も毛髪が薄くなる現象も同時に対策していくことにつながります。少しずつ無理のないようにはじめていきましょう。