育毛剤には男性用と女性用、それぞれの性別に合わせたものが販売されています。この事は、意外と知らない方も多いようで、女性でも男性用育毛剤を使用している場合も珍しくないと聞きます。メーカー側が性別によって販売する育毛剤を分けているのは、当然性別によって対処法が異なるからです。

今回は、育毛剤を購入する前に知っておきたい男性用・女性用育毛剤それぞれの特徴についてお話したいと思います。

男女それぞれ薄くなる毛髪のメカニズムが違う

男性と女性は、そもそも毛髪が薄くなる原因というのが異なっている場合がほとんどです。なので、仮に女性が男性用の育毛剤を使用しているということがあれば、それはすごく遠回りな対策になってしまっているのかも。

つまり、育毛剤を購入する際には男性用か女性用かをしっかりと確認し、自分の症状と照らし合わせて選ぶ必要があります。

男性の毛髪が薄くなる原因

男性の毛髪が薄くなる症状というのは、主に額の生え際が後退してくることや頭頂部から薄くなってくるという局所的なものが多いのが特徴です。

また、男性の場合は「遺伝」というキーワードも深く関わってきます。遺伝によりDHTの多少が決まることも多く、正直この部分に関してはどうすることもできません。DHTというのは、男性らしい体を作るための体内物質です。「ひげや体毛を成長させて身体を守る」、「筋肉を作る」、「精子を作る」などのアプローチを促すことと引き換えに、髪の毛が薄くなるというメカニズムになっています。

女性にもDHTは微小ながら存在しているのですが、毛髪が薄くなる原因となるほどの影響は受けないため、女性が毛髪が薄くなったとすれば違う理由が存在していると考えるのが自然です。

女性の毛が薄くなってしまう原因

女性の毛が薄くなってしまう症状は、男性の毛が薄くなってしまう症状が前頭部や頭頂部など局所的なものが多いのに対し、毛髪全体が薄くなる「びまん性の抜け毛」が多く見られます。地肌が広範囲にわたって透けて見えるような感じになり、いっぺんに抜けるわけではなく、長い時間をかけて徐々に薄くなっていきます。

女性の場合は、毛が薄くなってしまう原因として加齢や更年期障害による女性ぽさの減少がほとんどであると言われます。エストロゲンが乱れると、毛髪が生まれ成長する「成長期」と、成長が止まって生え変わりの時期に移行する「退行期」、そして毛根がお休み状態に入る「休止期」といった、いわゆるヘアサイクルに乱れが生じます。

つまり、女性ぽさを助けるような成分を取り入れていかなければ健康な髪を育てる対策にはなりません。男性とは健康な髪を育てる対策のアプローチがそもそも違うのだということを理解しておきましょう。

女性用育毛剤の三つの特徴

では、女性用育毛剤はどのように女性の毛が薄くなってしまう問題にアプローチして商品開発をしているのでしょうか。その特徴をまとめてみました。

毛髪や頭皮の損傷を補修する成分が中心

女性の毛髪が薄くなる現象が体内バランスの崩れによって起きることが多いというのはすでにお話しました。この体内バランスの崩れに関して原因は一つではありません。上記で述べた加齢によるものに加え、「出産」や「外的ダメージ」、「ヘアカラー・パーマ」など、女性ならではの理由がたくさん存在しています。

なので、女性用育毛剤には豊富な養分を始め、イソフラボンなどのエストロゲンの生成を助ける成分が配合されています。

それに対し男性用育毛剤は、抗菌成分や血の巡りを良くする成分、DHTの抑圧成分などが含まれていて、対策の違いが明確に出ていることがわかると思います。

保湿成分に力を入れている

女性用育毛剤は、その多くが保湿成分にこだわりを持っています。これは、男性の毛が薄くなってしまう原因に皮脂の過剰分泌というものがあるのに対し、女性の場合は乾燥肌になっている人が多いという背景があります。

かんきつ系成分や海草成分など、保湿効果に定評のあるものが配合されている場合は、そのメーカー独自のこだわりなども見られ、選ぶ楽しさがあると思います。かゆみ・フケが気になるという人は、保湿というポイントに絞って探してみるといいかもしれません。

低刺激で使用感にもこだわっている

乾燥肌の人が多い女性にとっては、頭皮への刺激による毛を育てる効果はあまり期待できません。頭皮に刺激的過ぎる成分はかゆみなどを引き起こしてしまい、かえって逆効果になってしまうことも。ですので、女性用育毛剤には、低刺激をうたった商品が多く見られます。

また、使用感も女性にとって快適であるかどうかというところがよく考えられています。香りはアロマ系のものや、植物系のいい香りがするものが多く、付けた時にしっとりとした潤いを感じることのできる育毛剤が多いと思います。

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男女兼用の育毛剤もある

最近では、男女兼用育毛剤というのも販売されていて、実際に当サイトでも男女兼用の育毛剤は一番多い商品です。選ぶポイントとして、明確に男性型の抜け毛、女性型の抜け毛といった特徴が出ている場合は、それぞれの性別で育毛剤を使い分けることをおすすめしますが、毛髪が薄くなる現象の初期段階であれば、さまざまな症状に対応することのできる男女兼用育毛剤を使用するのが効果的だと思います。

男女兼用育毛剤は、その多くに「センブリエキス」や「グリチルリチン」などの血の巡りを促す、体のサビにくくするなどの力を持っている成分が含まれています。この辺りの基礎的な健康な髪を育てる効果は、男女問わず抱えている問題として効果に期待することができますし、無添加製品も多いため、女性でも気軽に使えるという特徴があります。

どれを選んでいいのか迷ってしまったという方は、まずは男女兼用の育毛剤からスタートするのがおすすめです。

おわりに

今回は男性と女性で使用するべき育毛剤に違いがあるということをお話しました。健康な髪を育てる対策をする上では、自らの症状に合った育毛剤を使用しなければ、高い効果は期待できません。男性用と女性用、それぞれ毛髪が薄くなる現象に対するアプローチが違うのだということを覚えておいてください。