妊娠初期の抜け毛で困っていませんか？

排水溝に黒々とした物体が・・・抜け毛の恐怖
妊娠してから抜け毛がひどい！今までの２倍になった・・・シャンプーしていると髪が抜けて排水溝が詰まってしまった・・・どうすればいいかわからない・・・など。
妊婦さんの抜け毛は、妊娠中に赤ちゃんにエネルギーを与えるために起こる現象で、あなただけの特別な症状ではありませんので気にすることはありません。
全てを防ぐことや対策をすることは難しいのですが、なぜ起きるのか？どうすれば症状を和らげることができるのかをご紹介いたします。

1.妊娠中の薄くなる毛髪・抜け毛の原因

1.1.体内物質の影響

妊娠中は、プロゲステロンの分泌が活発になります。プロゲステロンは出産までの間、妊娠を維持し、養分や水分を体内に貯蔵することを担う女性の体内物質のひとつです。
妊娠時に、むくみなどが起こりやすいのはプロゲステロンの能力が関係しています。
プロゲステロンには、毛髪の成長を促すこともあり、毛髪の寿命を延長させ、本来、抜けるはずの毛髪を成長させ続ける能力があります。
このことにより、妊娠中は髪が濃くなるという人も多いのですが、逆に、プロゲステロンの増量にともなう体内バランスの変化により、ヘアサイクルが乱れる人もいます。

1.2.ヘアサイクル

ヘアサイクル（毛周期）は、成長期・退行期・休止期、三つの期間から成り立ち、それぞれ一定の周期で繰り返されています。
ヘアサイクルは体内物質の影響を受けやすいため、妊娠にともなうプロゲステロンの増量により、サイクルが乱れて毛髪が育つ前から抜け毛までの期間が短くなるケースがあります。
妊娠中はおなかの赤ちゃんに養分を吸収されやすいので、毛髪の生成に養分が回らなくなり、髪が細くなったり抜けやすくなったりします。

2.妊娠中の薄くなる毛髪・抜け毛の対策

2.1.バランスのとれた食事を取る

タンパク質

毛髪は硬質のケラチン（keratin）と言うタンパク質からできています。
このケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。中でももっとも多く含まれているのがシスチンというアミノ酸です。
このシスチンは体内でメチオニンからつくられますが、メチオニンは体内で合成されない必須アミノ酸ですので、食事でたんぱく質を補給しない限り髪の元が作られません。
植物性たんぱく質なら大豆や玄米、とうもろこし、動物性たんぱく質なら肉や魚、たまごから摂取することができます。
大豆は魚や肉よりもバランスがよく、効率よく成分が体内で吸収されますから、納豆や豆腐は毎日欠かさず食べたい食品です。

ビタミン

タンパク質はビタミンB6がないと体内でのリセットができません。ビタミンB6は、イワシ、マグロ、サバなどに含まれますからこれらはすすんで取りたい食品です。
頭皮の健康を保つため、血管の目づまり防止のためには、体の中を疲れさせない効果のあるビタミンA、C、EとEPA（エイコサペンタエン酸）が必要です。
ビタミンAは緑黄色野菜やうなぎに、ビタミンCはレモンやオレンジに、ビタミンEは玄米、ごま、ナッツ類に、EPA（エイコサペンタエン酸）は青魚（イワシ、サバ、ブリなど）に多く含まれています。
その他にも髪の良い食品ベスト10 ≫などを参考にバランスの良い食事を心がけてください。

2. 2. 頭皮を清潔に保つ

抜け毛の原因として過度の洗髪による皮膚障害と不潔によるフケ、アカによる毛詰まりがあげられます。
つまり頭皮を清潔に保つのに必要最小限の洗髪をするということになります。

シャンプーの回数

シャンプーは基本的には3日に1回、髪がオイリーな方でも2日に1回程度が良いようです。
毎日の洗髪は多すぎますし、1日2回の洗髪（朝・夜）は論外です。ただし、水洗いならば毎日でも問題ないようです。

フケは厳禁

フケは頭皮の角質組織がはがれ落ちたものです。
このフケを頭皮の微生物が分解するとその分解産物の刺激でかゆみ、ひいては毛が抜けてしまう現象が起こります。
フケの多い方はよく洗髪して頭皮を清潔に保つことが必要です。

2.3.睡眠をしっかりとる

睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると成長のための体内物質の分泌が少なくなる抜け毛の原因となります。

毛髪が育つゴールデンタイム

夜10時から2時までの4時間は、成長のための体内物質の分泌量が最も増える時間帯で、この時間帯は熟睡できるように心がけてください。
就寝後、眠りについてから2時間以後に、成長のための体内物質の分泌が活発になります。

外的ダメージに注意

また、ダメージ無く熟睡したほうが、成長のための体内物質の分泌が活発になるとされていますから、こちらも意識してください。
薄くなる毛髪・抜け毛を元通りにするためには、早寝早起きの生活を送りましょう。

まとめ

• タンパク質・ビタミンなどをバランスよく含む食事を取る
• シャンプーは2日~3日に1回程度にする。水洗い（湯洗い）は毎日でも可能です。
• シャンプーはゴシゴシではなくて、やさしく頭皮をマッサージするように洗う。
• 毛髪が育つゴールデンタイム、夜10時から2時までの4時間は、睡眠をしっかりとる。

結論

妊娠初期の抜け毛は、出産後の抜け毛ほどではないものの、抜け毛が2倍になった・もともとの毛量がないので悩みが深刻など、多くの妊婦さんが経験しています。
この症状は体内バランスの変化による抜け毛ですので、すべて対策するのは難しいのですが、まとめで箇条書きにした項目、タンパク質・ビタミンなどをバランスよく含む食事を1日3回しっかりと摂取する・シャンプーによる洗髪はやり過ぎずに適正な感覚で行う・洗い方はやさしく指の腹で頭皮をマッサージするように行う・毛髪が育つゴールデンタイムである夜10時から2時までの時間は、熟睡できるような生活習慣にするなど、健康的で規則正しい生活をすることで、十分に対策や防ぐことは可能です。
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-参考-
社団法人日本皮膚科学会