ヒアルロン酸とは?

ヒアルロン酸

「ヒアルロン酸」は美容液などに配合されていることで知られている成分であり、美肌を作る効能があるといわれています。その「ヒアルロン酸」に毛髪を育てる効果もあると聞いたことはありませんか?

結論からいってしまうと、「ヒアルロン酸」自体に毛髪を育てる効果はありません。ただし、毛髪を育てることをサポートする効果があります。毛髪を育てる効果はないのに毛髪を育てるのをサポートするというと不思議な感じがするかもしれません。

簡単にいえば美容に使われる際の効果と同じです。「ヒアルロン酸」によって体内物質の老化を防ぐことができると考えるとわかりやすいでしょう。

「ヒアルロン酸」は一見毛髪を育てることとは何の関係もなさそうですが、上手に利用することで髪の状態をよりよく保ち、毛髪を育てるのに最適な環境を整える助けにすることができるのです。今回は「ヒアルロン酸」の効能と問題点を詳しくご解説します。

毛髪を育てるのは一つの手段だけでは行き詰まる場合もあります。さまざまなアプローチで、いつまでも豊かで美しい髪を保つ努力をしてみましょう。

「ヒアルロン酸」の体内での役割

「ヒアルロン酸」は体内に水分をとどめるという役割を持っています。また、身体の体内物質同士を密接につなぐ役割も果たしています。体内のあらゆる部分で「ヒアルロン酸」は緩衝材のような活動をしているのです。

人の老化現象にはこの「ヒアルロン酸」の枯渇が大きく関わっています。「ヒアルロン酸」が体内に少なくなると、体内物質同士の接続が薄くなり、ちょうど剝がれかけの接着剤のようになってしまいます。

年をとると身体の各所に老化現象が見られるようになりますが、その一端として加齢による「ヒアルロン酸」の不足があるのです。肌荒れや関節炎などの原因として「ヒアルロン酸」の減少が挙げられます。

今回問題としている毛髪を育てることにとっての役割ですが、「ヒアルロン酸」不足に陥った頭皮は毛細血管が崩壊し、毛包に養分が届かなくなり、髪が細くなり抜けやすくなります。「ヒアルロン酸」が不足した頭皮では髪は十分に育たないのです。

「ヒアルロン酸」の毛髪を育てる効果

「ヒアルロン酸」の1番の効能はなんといっても高い保湿能力でしょう。「ヒアルロン酸」は1gあたりに最大6Lの水分保有能力を持っています。体組織を健全に保つためには保湿が重要な役割を果たすため、この性能は驚異的です。

外界と接している頭皮の表面が乾燥すると、バリアー機能が失われて細菌の攻撃を受けてしまいます。そうなると腫れによって毛穴部分が脆(もろ)くなり、抜け毛を誘発してしまいます。

また、潤いを失った体内組織は血流が滞り養分不足で髪が脆(もろ)く抜けやすくなってしまうのです。頭皮の保湿は毛髪を育てるためにも重要な問題といえます。

「ヒアルロン酸」の保湿能力を頭皮に適用するには、外的に塗布する方法と、内的に注入する方法があります。

塗布する場合に注意するべきこととしては、「ヒアルロン酸」は分子が大きいため、ほとんど体内に吸収されることがないということです。そのため、頭皮の保湿はできますが、頭皮に不足している「ヒアルロン酸」の補充はできないことに気をつけましょう。

注入する場合にはクリニックにて注射器を使って行います。注入された「ヒアルロン酸」は体内でゆっくり吸収されて体内組織に潤いを与え、血の流れを良く、ひいては髪を作り出す組織の活性化につながります。

「ヒアルロン酸」の反動と注意点

純粋な「ヒアルロン酸」自体は体内に元々存在する成分なので問題が生じることはありません。ただし、頭皮に直接注入する場合には注意が必要です。

「ヒアルロン酸」は高分子の成分で粘度が高く、注入するにはあまり細い針は使えません。そのため注入の際にはかなり痛みがある場合があります。

また、誤って血管に注入などされてしまうと、血流をせき止めてしまうことになり、その部分が壊死(えし)してしまう可能性もあります。さらにクリニックによっては、わざと吸収されにくくした「ヒアルロン酸」を使っているところもあるとのことです。

これは純粋な「ヒアルロン酸」ではないということになるので、利用に不安が残ります。くれぐれも「ヒアルロン酸」注入の際には信頼のおけるクリニックを利用するようにしてください。

おわりに

「ヒアルロン酸」が身体にとって大きな役割を果たしていて、毛髪を育てるにも大切なものであることがわかっていただけたでしょうか。身体の機能が健全に維持されるためには保湿がとても重要です。

今回は「ヒアルロン酸」をそのままの形で利用する場合の効能や問題点をご紹介しました。しかし、本来は体内で生成する「ヒアルロン酸」を増やすことが大切です。

とはいえ、加齢によって「ヒアルロン酸」を体内で合成する能力が年々衰えてしまうのも事実です。頭皮の乾燥があまりにもひどい場合には注入を考えるのも一つの方法として間違いではありません。

食物で「ヒアルロン酸」を補いたい場合には、良質のタンパク質、マグネシウムや亜鉛などを加熱調理を避けて摂取するようにするといいでしょう。毛髪を育てるのにいいとされる卵や魚、豆類などは「ヒアルロン酸」のための食事としても優秀とされています。「ヒアルロン酸」の効能をよく理解して、上手に毛髪を育てることに応用してください。

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