ケラチンを知らずに髪の成長は語れない!髪の毛の主成分ケラチンとは
毛髪の育て方について調べると、よく目にするのが「ケラチン」という言葉です。髪の毛の主成分をまとめて指す言葉なのですが、このケラチンはたくさんのアミノ酸によって構成されています。
日本人の髪の毛の平均本数はおよそ10万本といわれていますが、その髪の1本1本が、アミノ酸の結合によってできていると考えると不思議な気持ちになりませんか?
今回は、ケラチンとはいったいどんなものなのかについて詳しく解説します。
目次
髪の主成分ケラチンとは?
アミノ酸は人間の体を構成する物質のことで、20%を占めています。このアミノ酸は髪を構成するだけでなく、呼吸など人間の生命活動にも関わりが深い成分です。
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、必須アミノ酸は9種類、非必須アミノ酸は11種類となります。このうち、髪に必要なアミノ酸が18種類あり、これらがケラチンを作り出します。このアミノ酸が一つでも不足すると、髪の成長がうまくいきません。
ケラチンの主成分である七つのアミノ酸
ケラチンはアミノ酸が18種類で構成されますが、その半分以上を占めるのが7種類のアミノ酸で、これらが不足すると毛髪が薄くなることや抜け毛が進行したり、髪が細く弱々しくなったりします。
- シスチン
体内で合成することができるアミノ酸の一つです。このシスチンは体の中の悪い原因を除去するために活動するので、食生活に偏りがない限りは不足することはありません。
ところが、喫煙や飲酒をしたり、紫外線を受けたりすると体の中の悪い原因が体内に生まれ、それの除去にシスチンが消費されるので欠乏してしまいます。
- グルタミン酸
昆布などに多く、うまみ成分としても有名です。美肌効果や脳の活性化、老廃物を出す活動があるだけでなく体のたるみの蓄積を抑制し健康な体つくりをサポートします。髪のツヤにもこのグルタミン酸がアプローチしています。
- ロイシン
タンパク質合成に深く関わる成分で、肝機能を正常にして養分が吸収されやすいようするためにも動きます。飲酒の好きな人は、ロイシンが不足しないようにしないと髪の成長がうまくいきませんので注意しましょう。
- アルギニン
成長するための体内物質の分泌に関わるアミノ酸で、髪の成長にもこのアルギニンのアプローチが必要です。大豆や肉に多く含まれるので、食事でしっかり摂取できるようにしましょう。
- セリン
体内合成ができるアミノ酸で、成長するための体内物質を促進し健康な髪を作る役割があります。
- アスパラギン酸
ツヤのある髪を育成するためには欠かせない成分で、体内でも合成はできますが食事でも摂取できます。大豆もやし、アスパラガス、サトウキビ、肉類に多く含まれています。
- スレオニン酸
肌や髪の生まれ変わりを促す成分で、頭皮や肌、髪を保湿し元気な髪が生まれ変わるためにアプローチします。
髪の補修にはケラチントリートメントが効果的?
ケラチンが髪の主成分であり、それがアミノ酸によって構成されているのはおわかりいただけたと思います。パーマやカラーリングで髪が傷むと、ゴワゴワしたり、枝毛ができてしまったりなどの原因から抜け毛も増えてしまいます。
では、内部のケラチンが減少したために起こってしまうのであれば、外部からケラチンを補給したり、ケラチン入りのトリートメントで補修したりできるのでしょうか。
外部からケラチンを与えても髪とは同化しない
加水解ケラチン配合のシャンプーやトリートメントなども見かけることが多くなり、ヘアサロンでもくせ毛の見直しやダメージ補修に使われます。ケラチントリートメントは、髪の外部にケラチンを与えガードすることでドライヤーなどの熱から髪を守ったりする効果があります。
しかし、外部からケラチンを与えても髪の内部のケラチンと同化することはないので、髪にツヤはでるけど、髪を健康にするものではないことを理解しましょう。
傷んだ髪は、カットしてそれ以上ダメージが広がらないようにケラチントリートメントでカバーはできますが、生えてくる髪を健康にするのは髪のケラチンがしっかりしていることです。
ケラチン入りのシャンプーを使うと髪の成長効果が上がるのではなく、表面的なケラチンケアができるのです。
ケラチンを守るためにはシャンプーで頭皮と髪のケアをしましょう
多くの髪の成長を促すシャンプーには、髪を保湿するケラチンが配合されています。髪のダメージを防ぐためには、元となる頭皮環境が正常であることが大前提です。
いくら髪にケラチンを与えても、すでにスカスカな髪には効果がありません。髪が成長する段階で、髪のケラチンがしっかり構成されていることで豊かで美しい髪となるのです。
ケラチンがしっかりした髪を成長させるのは頭皮環境と食生活
髪の毛が作られる元成分でもあるケラチンは、外から刺激を受けたり、髪の毛の元から養分が運ばれなかったりすると剝がれやすくなり、髪が傷んでいきます。
すでに生えている髪のケラチンをキープするためには、トリートメントで髪に養分を与えるだけでなく伸びてくる髪が元気なままで抜けないような健康な頭皮環境にしておくことが重要です。
そのためには、ケラチンの原料となるアミノ酸が体内で不足するようになる喫煙や飲酒は控えたり、バランスの良い食事で色んな養分を摂取したりと、偏りがないようにすることが必要です。
おわりに
髪がダメージを受けると抜けやすくもなるので、頭皮だけでなくヘアケアもきちんとする必要があります。
ダメージ補修の方法として、ヘアサロンでカットをしたり、トリートメントを受けたりするなどの方法がありますが、根本的な髪の成長にはしっかりとした自己管理が欠かせません。
ケラチンへのダメージを防ぐためにも、シャンプーを使いながら生活習慣を振り返り体内からもケアを行っていきましょう。